ふしぎいっぱい!自然観察ノート

ダンゴムシはなぜ丸くなるのか ふしぎなだんご虫のひみつ

Tags: ダンゴムシ, 昆虫, 身近な生き物, 自然観察, 不思議

コロコロと丸まるダンゴムシの不思議

公園の片隅や庭の植え込み、あるいは石の下などをそっと覗いてみると、小さなグレーの生き物がせわしなく動いている姿を見かけることがあります。それがダンゴムシです。そっと指で触れてみると、あっという間に体を丸めて、まるで小さな石ころやだんごのようになってしまいます。なぜダンゴムシは、こんなに器用に体を丸めることができるのでしょうか。その不思議なひみつを探ってみましょう。

ダンゴムシはどんな生き物でしょうか

ダンゴムシは、見た目は虫のように見えますが、実は昆虫の仲間ではありません。エビやカニと同じ「甲殻類」という生き物の仲間で、陸上で生活するように進化した珍しい種類です。

彼らは湿った場所を好みます。落ち葉の下、石や植木鉢の下、朽ちた木の根元など、じめじめとした場所によく隠れています。そして、枯れた葉っぱや朽ちた木を食べ、土を豊かにする「分解者」としての役割も果たしています。

体を丸める二つの大切な理由

ダンゴムシが体を丸める行動には、主に二つの大切な理由があります。

一つ目は、「敵から身を守るため」です。ダンゴムシにとって、鳥やクモ、ムカデなどは天敵となります。身の危険を感じると、彼らは体を内側にぎゅっと縮めて、硬い殻で覆われたボールのような形になります。こうすることで、柔らかいお腹の部分を隠し、硬い外殻で体を守ることができるのです。まるで小さなよろいをまとった騎士のようですね。

二つ目は、「乾燥から身を守るため」です。先ほどお話ししたように、ダンゴムシは湿った環境を好みます。しかし、日差しが強い場所や乾燥した空気の中にいると、体から水分が失われ、弱ってしまうことがあります。体を丸めることで、体の表面積をできるだけ小さくし、水分が蒸発するのを防ぐ役割も果たしていると考えられています。

ダンゴムシを観察してみましょう

身近なダンゴムシの不思議を、ぜひ実際に観察してみてください。

また、ダンゴムシによく似た生き物に「ワラジムシ」がいます。ワラジムシはダンゴムシと同じ甲殻類の仲間ですが、危険を感じても丸くはなりません。ぜひ、見つけて触れてみて、丸くなるかどうかでどちらの生き物か見分けてみるのも良いでしょう。

身近な自然に隠された知恵

ただの小さな虫だと思っていたダンゴムシにも、生きていくための素晴らしい知恵や工夫が隠されています。身近な自然の中には、私たちが普段気づかないだけで、このような小さな不思議がたくさん存在しています。ぜひ、お子さんやお孫さんと一緒に、普段の散歩の中で、新たな発見を見つけてみてはいかがでしょうか。